セッション1:ZOOMミーティング編

GW直前のある夜、自粛生活の中でバタさん、HAL、そして私 gorogoroの3人は、それぞれの次回作の収録をいつ頃にするのか相談をしてました。

マーベル映画の公開も大河ドラマの収録も先延ばしになっているこのご時世。 おそらく、いつものようにスタジオで録音できるタイミングはしばらく先になるのは明らかです。。バタさんは冒険ものの新作、HALはディメンジョンシリーズ、そして私はパウダリーイルミネーションの続編など、脚本を進めている中でのこの事態に、ため息しか出てきません。

だけど・・・これから世の中は、どう変化していくんだろう・・・誰ともなしに話題は、この機での世の中の変化の話になっていきました。自粛の影響で、いままで遅々として進まなかったテレワークが必要に迫られで普及し始めてます。実際には、運用を始めてみると、ライセンスやサーバーの問題、回線やPCの環境の確保、部屋や家族の影響など様々なトラブルに直面しながらも、工夫しながら使い始めて、それが普通の世の中へと変貌し始めています。

気が付けば、ちょっと前まで、会社でWEB会議はトラブルだらけでした。操作の難しい端末でなかなか立ち上がらないで待たされることもしばしば。また、自宅でオンラインでビデオ会議も1対1が関の山でした。

ところが、いまはLINEで友達同士では複数人で話すどころか、WEB会議を自宅回線で100人規模でもできる時代です。しかも無料で。

『それならば』自分たちも、たとえ音質が悪くても、使い勝手が悪くても、この機会に少しでも先を見据えたことを試して先に進めるべきではないのか・・

「自宅でオンラインでオーディオドラマ創りたいね。いろいろ試したいね。」

どうせ暇なGW。幸い、世の中にオンラインサービスはあふれ、さらに新しいコラボレーションツールはいくつか芽生えています。手始めに3,4つほどサービスを試してみようということになりました。

実は、1つ試して大変なめにあったサービスがありますが、それはまた別の機会に紹介するとして、今回は5/6に試したWEB会議ソフト”ZOOMミーティング”で録音したのレポートをします。

ZOOMミーティングは、PCやMac、iPhone端末、Android端末などで参加できる WEB会議(ビデオ会議)システムで、有償サービスのほかに時間制限がありますが無償のサービスがあります。

Zoomミーティングについては、このリンク参照  (新しいウインドウが開きます)

今回は40分の時間制限つきですが、無償サービスで自分が会議を主催してオンライン上で5人参加で簡単なミニドラマを制作しました。下記リンクページ 喫茶 想い過ごし の中の、ショートストーリー3:わくわくテレワークが制作した作品です。

LINE、Discord、Skype、Teams、 Webex 数あるWEB会議(ビデオ会議) サービスですが、実は声優の小岩井ことりさんがサイト「 藤本健のDigital Audio Laboratory 」でそれぞれの音質をレポートしていて (小岩井さんの本当にすごい分析レポートです。技術者も脱帽です。) 、その結果から私たちも、音の周波数帯域が低域も高域もあまり損なわれておらず、また特別な強調による加工も少ないZOOMミーティングサービスを録音手段として選択しました。

事前に、サービスにサインインして、パーソナルミーティングのIDとパスワードをメンバーにLINEやメールで配信します。(参加者も最初はソフトのインストールが必要です。)

5/6の朝、まだ寝ぼけたままPCを開きサインインして10:30の集合時間を待っていると、続々とメンバーが”入室”してきます。この頃は、なりすまして乱入する不審者もいるようなので防止機能として、参加者はいったん待機室に招かれ、主催者が参加者の名前を確認して実施のオンライン会議に招き入れる形になっています。

実は、この録音に参加したメンバーは、声優さんでも何でもないアマチュアばかり。誰一人、指向性マイクの1本も持ってません。全員、PC内蔵のマイクかヘッドセットのマイクという始末。。なんという、デリカシーのなさ。。。なんというお気楽参加。(ほんとに オーディオドラマ制作のサークルか?!)

セリフを合わせてみると、おや?なんか話しにくい。

「 エコーが‥ かかってる・・」

「誰かPCのスピーカーから音出しながら話している?」「はーい、私」

すみません、それはスピーカーの音をマイクが拾って、またスピーカーで出すハウリング現象の一歩手前のエコー効果ですね。大昔、その原理を使って放送部がオープンリールデッキを使ってエコーをマニュアルで作ってました。。(いつの時代?!)

「スピーカーじゃなくてヘッドホン使って」

無事音声の問題がなくなり、声録開始です。

「んー、意外と、問題なく会話は収録できるね」

さ、じゃんけんのシーンです。「せーの、じゃんけん・・・・ぽい」

ぽい、ぽい・・ぽい・・ ひ、ひどい。こんなにもタイミングが合わないものか。

せーの、で1,2、と数えてからね、 とか、いろいろ試すものの、遅延があってまったくタイミングが合わない。

「わかった、あきらめ。別録りしまーす」 一人ひとり別々にじゃんけんぽんしてもらって、5人の音声をDAWであとから合成することに。声の遅延問題は、オーディオIFでASIOとか使ってないと厳しいことがわかりました。。

「ガヤ が問題だね。。。」録音してみると、みなほぼ同じ音の大きさで参加しているので距離感がなくなってしまってます。(あと、MONOでステレオ感もない・・・)

「ガヤも 別録 りしようか」メインのセリフとガヤも分けて取ることにしました。(でも結局 別録 り したものは、一連の録音と場の雰囲気が変わってしまい採用しませんでした。)

今回は録音も特別なDAWなどを使用せず、ZOOMアプリの録音機能を使いました。ちょっとした注意点ですが、ZOOMは終了する前に録音したものを形式変換して保存します。保存される前にPC立ち下げると悲劇になるのでご注意を。

また、もう1点注意です。ZOOM使用中にチャットで会話することが可能です。このチャットを保存して記録できるのですが、保存前にアプリを終了するとこれもまた、チャット内容を消失して泣きです。会話終了前に「チャット保存してね」と声をかけるなど、ご注意ください。

録音してみて、思いのほかよかったのが音質です。

私のDAWでは、ノイズ除去アプリによりフロアノイズを消し、BGMでごまかし、BGMのない無音期間のノイズはWAVEファイルを一部カットしましたが、意外と大した加工もせずこの音質まで来ているのは驚きです。

何より驚いたのは、完成版をHALに聞かせたら

「茶の間でTVついてたけど、音 気にならなかったでしょ」

と、のんきに言ってのけたのを聞いた時でした。

あんた、録音の場でTVつけてたのか・・・・    ちゃんちゃん。

Powdery Illuminations 番外編 ショートストーリー3:わくわくテレワーク